デンソー労働組合

DIALOGUE

労働組合の歴史 ~ラッダイト運動を考える~

2022.12.19  

産業革命と労働組合、ラッダイト運動

人類の歴史において労働は常に存在してきましたが、労働組合の活動に関連する「労働」が発生したのは工業社会(Society3.0)以降と言われています。
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/

Society3.0以前の、単純肉体労働以外の労働は個別の職能集団が担っており、職能集団はその職能を盾にしばしば自らの立場を守ることができていました(職能団体・職能組合の原型)。第1次産業革命以降、工場制手工業が登場し、工場制機械工業へと移行する過程で、それまで職能集団が担ってきた労働がなくなっていき、職能を必要としない労働が現れました。これが賃金労働者の出現です。賃金労働者は職能を持たないため資本家に搾取されることが多く、搾取によって資本家へ富が集中することで資本主義の暴力性が露わになりました。
労働組合は、産業革命後、政府や議会へ労働条件についての請願を行うために団結した賃金労働者の団体からはじまりました。当時団体は法的に認められていなかったため、労使紛争が生じると労働者が罰せられていました。このため、産業革命の進行により機械化が進むと、労働者の不満が爆発しラッダイト運動(機械の打ちこわし)が生じた、ということです。
https://aizine.ai/laddaite-movement0331/

現代のラッダイト運動=ネオ・ラッダイト運動

Society5.0では、IoT、ビッグデータ、AI、ロボット等の科学技術の活用(総じてDXと言われる)で、経済発展と社会課題の解決を両立しようとしています。しかし、第一次産業革命における機械同様、新しい科学技術は現在の「労働」を陳腐化させる可能性をはらんでおり、適切に向き合わなければ新たな労働問題を生じさせることも十分に考えられます。AIの社会実装等によって雇用機会が奪われるのではないかと懸念し、高度 IT 化を避けようとする考え方は、ラッダイト運動になぞらえてネオ・ラッダイト運動と言われています(ロバート・ライシュ、『 勝者の代償 』)。

しかし、ロバート・ライシュは著書の中で「新技術は、確かに人々に転職や仕事のやり方を変えることを強いるが、新技術が仕事の総量を減らすことはない。」と言っています。実際に、リモートワークを導入した結果、仕事そのものの量が減ったわけではないですよね?だからこそ、私たちは、技術の進化を避けるのではなく、その先の働き方を考えていく必要がありそうですね。

未来に想いを馳せながら、働き方を考える。その第一歩目に、私達が取り組んできたのは、「健全で風通しのよい職場づくり」でしたね。次はどんな働き方を考えていくべきか、一緒に考えていきましょう。

まとめ1

まとめ2

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